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マネックスの米ドル建てゼロクーポンは買いか?

マネックスから米ドル建てゼロクーポン債(タイムカプセル)が募集開始となりました。主な諸元は以下の通りです。

■ 銘柄:米ドル建てゼロクーポン債(タイムカプセル)
■ 発行体:国際復興開発銀行(世界銀行)
■ 格付け:AAA(S&P)、Aaa(ムーディーズ)
■ 売出価格:額面1,000米ドルにつき728米ドル
■ 利回り(税引前):年3.92%
■ 発行日:2007年12月20日(木)
■ 償還日:2016年3月15日(火)
■ 申込単位:額面1,000米ドル単位
■ 申込期間:2007年12月3日(月)8時30分~2007年12月19日(水)14時00分まで

マネックスでは定期的にゼロクーポン債を発売しています。(私も前回タイムカプセルを購入しています。) 債券は証券会社との相対取引となるため、為替手数料以外の債券自体の隠されたコストが見えにくいのが特徴です。売値と買値は証券会社の言い値となり、また他社との比較もしづらいことからその値付けは妥当なの?って疑問がわいてくるわけです。

ところでマネックスでは今年の11月からマイポートフォリオに債券の時価が表示されるようになりました。このことから外債単価のコストについて、ある程度の推察ができるようになったのです。

それでは今回募集のゼロクーポン債券が買いかどうか考察して行きたいと思います。

今回マネックスで募集のゼロクーポン債ですが

  • 償還期間:8年3ヶ月
  • 単価:72.8
  • 利回り:年3.92%

となっています。

残念ながら私は世銀債の市場価格は分からないので、償還期間が近い米国債で比較してみたいと思います。
野村證券で償還期間の近い米国債を調べてみました。(2007/12/3時点)

■ 銘柄:米ドル アメリカ国債(ゼロクーポン)
■ 償還: 2016/02/15 8年2カ月
■ 単価: 73.23
■ 利回り: 3.83%

米国債よりマネックスのゼロクーポン債の方が若干利回りは高くなっています。まあ国債より世銀債の方が利回りが高いのは当たり前ですが・・・。しかしこれだけではマネックスが債券販売時にどれだけの手数料を取っているのか分かりません。(世銀債の市場価格とマネックスの販売価格の差額です)

しかしある程度の推測はできます。実は私は前回のタイムカプセルを購入しているのですが、募集時の条件と現在の単価は以下の通りとなっています。

■ 銘柄:世界銀行 2017年3月15日満期 ゼロクーポン米ドル建債券
■ 単価: 額面1,000米ドルにつき、670米ドル
■ 発行日:2007年9月11日
■ 償還日:2017年3月15日
■ 現在単価:64.86

注目していただきたのは現在(2007/12/3時点)の単価(64.86)です。

債券価格は金利上昇で価格下落、金利低下で価格上昇という特性を持っています。ちなみにこの債券を購入した2007/9/11時点の米10年国債の利回りが約4.5%、現在は約4.0%です。これだけ米国の金利が下がっているのにかかわらず、現在の単価(64.86)は購入単価(67.0)を大幅に下回っているのです。これがもし金利上昇局面ならさらに単価が下がっていたと推測します。(ちなみに先月野村證券で購入したゼロクーポンはすでに購入単価を上回っています) このことからもマネックスのゼロクーポン債は、大手証券と比較して「購入時により手数料を上乗せされている」 or 「中途売却時により買い叩かれる」ということが理解できると思います。

債券単価自体のスプレッドってどのくらい?

ここでタイムカプセルの売買コストを探るためにひとつ仮説を立てます。

今回募集の米ドル建てゼロクーポン(タイムカプセル)は、野村證券で販売している償還期間の近い米国債と同じぐらいの単価でした。よって私が保有している米ドル建てゼロクーポン(タイムカプセル)をマネックスで新規に売り出すとすると、野村證券で販売している償還期間の近い米国債と同じぐらいの単価となると仮定します。(償還期間も8年3ヶ月と9年3ヶ月で近いので無茶な仮定ではないと思います)

その単価が分かれば現在の単価(64.86)の差額から、債券売却時のコスト(スプレッド)を求めることができるのです。

先ほどと同様に野村證券で私の保有するゼロクーポンと償還期間の近い米国債を調べてみました。

■ 銘柄:米ドル アメリカ国債(ゼロクーポン)
■ 償還: 2017/05/15 9年5カ月
■ 単価: 68.52
■ 利回り: 4.04%

私の所有するゼロクーポンは現時点で販売価格68.52(仮)で売却価格は64.86となります。よって68.52/64.86=約5.6%が債券売却時のコスト(スプレッド)ということになります。さらに購入時と売却時の手数料が同じだと仮定すると、今回募集の米ゼロクーポン債の市場価格を以下の通り導き出すことができます。

単価=73.23/1.056=69.35
利回り=(償還価格/買付価格)^(1/残存年数)-1=約4.54%

外債を購入するならネット証券より大手証券

今回のスプレッド計算は、仮定をいくつか積み上げた中での検証ですので、想像の域を出ないのですが、私としては感覚的に近い数字が出たのではと思っています。もちろん債券なので償還期間まで保有していれば額面(単価=100)で返ってくるわけですが、中途売却時にはかなりスプレッドを引かれるのを覚悟しておかなければならないと思います。

現時点では外債を購入するならネット証券より大手証券という結論になるでしょう。

Comments:7

外債投資情報 2008年2月11日 07:44

なかなか興味ある記事です。私は大和がメインで、マネックスとイートレードはほんとにちょっぴりですが、大和に比べマネックスとイートレードの外債関連サービスの悪いことは感じています。大和は日々の外債価格が出てくるので、評価は容易です。
ちなみに買い取り価格ですが、あんなものじゃないでしょうか? 外債の場合は、額面に対して手数料が決まっている(額面100に対して1とか)ので、単価の安いゼロクーポンは残存年数が長いほど不利になります。これは既発を買う場合も同じです。

桃太郎 2008年2月11日 11:25

確かにネット証券の外債関連のサービスは、まだまだ不十分だと感じています。
買取価格ですが、外債は証券会社との相対取引となるので、証券会社によって手数料は変わってくると思います。私は野村證券でも、今回検証したマネックスの世銀債より償還期間の長いゼロクーポンを所有していますが、明らかにマネックスの世銀債の方が手数料が高くなっています。大手証券にしても売値と買値を表示しない点はぜひ改善してほしいところです。

外債投資情報 2008年2月12日 06:56

売値と買値ですが、大手の場合口座を持たない場合でも調べることは可能です。窓口に行って聞けば一応教えてくれます。かなり昔、日興で調べたことがありますが、大和とほぼ同じでした。ネット販売が拡大すれば、売値と買値を公開する様になることは考えられますが、売値があれば買値は予想がつくはずです。

桃太郎 2008年2月12日 21:00

私は外債に関して、為替手数料以外に債券価格自体にスプレッドがあることを明示していない点に問題があると考えています。株価にしても投信の基準価額にしても、明確に基準値で売り買いできるわけですし、商品の価格自体にスプレッドを含んでいるFXや貴金属でもディーラーは売値と買値を提示します。ですから外債に関しても、証券会社はもっとオープンに情報を公開してほしいと願っています。

うさみみ 2008年6月15日 13:06

はじめまして。うさみみといいます。検索からきました。
うさみみもタイムカプセルと既発債を比較したことがありますが、前者が購入時でも利回りが悪いなという判断でした。
ここを読ませていただくと、もう1度検証してみようと思いました。

売却時の考察は脱帽です。
恐らく、近いマージンを取られているように思います。

勉強になりました。ありがとうございます(^^♪

桃太郎 2008年6月15日 20:31

>>うさみみさん
はじめまして。外貨投資はかなり増えてきてるようですが、こと生債券に関しては投資人口が少ないせいか他のブログでもあまり取り上げられていません。外債のコストに関してはまだ不透明な部分が多いですね。

うさみみ 2008年6月19日 16:24

外貨投資は買ったら放置ってこともありブログでも見ないですね。
確かに外債のコストが不透明な部分が大きいんでしょうね。

それだけに少し記事を書くと、コメントいただけたりして、意外に投資を検討されている方がおられるんですけど、コスト面は重いって感じですね(^^♪

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